農業の先生との思い出(新商品発売しました)




ハウレット農園の新商品「THREE BERRY JAM 3種のベリーのジャム」を発売しました。


こちらはハスカップ、レッドカラント、ブルーベリーの3種のベリーをブレンドし、甘さ控え目の有機キビ砂糖のみで仕上げたジャムで、就農した2012年以来ずっと構想を温めていた商品です。


この商品を作るきっかけを作ってくださったのは、北海道新得町のハスカップ農家さん。園主の方はもう亡くなっているので農園名は伏せておきますが、恐らく日本で最初にハスカップ栽培を始めたパイオニア的存在で、僕が勝手に「農業の先生」と慕っていた方です。


彼にお会いしたのはちょうど就農した2012年。その頃、農業のことは右も左も分からない状態だったので、図書館や本屋さんを巡って、参考になりそうな書籍を片っ端から読んでいたんですよね。でも、本に書いてある情報だけでは解決できない問題がたくさんあったので、「これは農業の先輩方に直接話を聞いた方が早い!」と思い、見聞を広める意味合いも込めて、ベリー栽培農家を含め、道内各地の様々な農家さんにアポなしで突撃する取材旅行していたんです。


なんでアポなしかというと、単純にその方が手っ取り早いから


最初は電話でアポを取っていたんですが、大抵従業員やスタッフの方が出て園主に取り次いでくれるまで時間がかかったり、場合によっては門前払いを食らうこともあったので、それならいきなり行って自分の思いを直接伝えた方が協力してもらえる確立が高まるんじゃないかと思いまして。


それが結果的に大成功で、10か所くらい訪問しましたが、農業の「の」の字分からない若造にも関わらず、皆さん本当に親身になって、様々なアドバイスをくだっさたり、自分の失敗談を包み隠さず話してくださいました。


その中でも特に衝撃を受けたのが先述した先生で、初めてお会いしたときすでに77歳と高齢であったにもかかわらず、若々して超働き者なんですよね。


朝4時に起きて畑に向かい、そこから日がな一日働いて日没になってから家に戻って夕食を取り、22時頃まで事務作業をして寝るっていうルーティンを毎日繰り返してると聞いて、こんな高齢の人でもここまで働けるのか!と思わず身が引き締まりました。


さらに色々と話を聞いていくと、「一銭でも多く畑への投資に回したいから、生命保険に入ったことがないし、年金も払ってこなかった」って言うんですよ。それで、「もし怪我や病気で働けなくなって収入がなくなっちゃったらどうするんですか?」って聞いたら、「その時はいさぎよく畑で死ぬからいいんだよ。自分の土地で死ぬなら誰にも迷惑かけないし」って笑顔でさりげなく答えて。


それまで生きてきたなかで「自分の死に場所を自分で決めている」タイプの人には会ったことがなかったし、その潔い生き方が堂々としていてやけにカッコよくて、「男が男に惚れる」的な感じですっかり心酔した僕は、勝手に彼を先生と仰ぐようになったんです。


それからというもの、(僕は道南に住んでいて、彼は道東の農家さんなので)分からないことがあればしょっちゅう電話して色々なアドバイスをいただいてました。(自分にとってはひとつも得にならないだろうに、本当に毎回親身になって相談に乗ってくれました)。


で、出会ってから3年が経った2015年の春、「ここ数か月は電話してなかったな~、元気かな~?」と思って電話したら初めて奥さんが出て、「主人は先週亡くなりました」と言われまして。


かなりショックでしたが、その時は80歳になっていたので、「年齢が年齢だけに仕方がないか・・・」と。


それで奥さんに「失礼ですが、どんな最後だったのか教えていただけますか?」と聞くと、「畑で草むしりをしていたら急に倒れて、そのまま亡くなったんですよ。脳梗塞でした」とのこと。


生前僕に伝えていたように、彼は本当に人生最後の瞬間まで畑仕事をしていたんですよね。それを聞いて、僕は本当に感動しました。有言実行とはまさにこのことだなと。


それと、幸せな天寿を全うされたことを知れて、それほど悲しい気持ちにはならず、むしろ誇らしく清々しい気持ちになったことをよく覚えています。



そんなわけで今回発売した新商品ですが、こちらに使っているハスカップの苗は、彼に初めて会ったときにご好意で分けてもらったもの

最初は手の平に乗るくらいの小さな小さな苗でしたが、9年経った今ではすっかり立派な成木に成長し、その枝から挿し木で増やした苗たちも今やたくさんの実りを上げてくれるようになりました。



ハスカップは実が柔らかく皮が破けやすいので収穫に相当手間がかかり、当初は商品化までは考えていなかったのですが、今年からようやくまとまった量が獲れるようになったので、地元の小学校の生徒さんたちに課外授業の一環として収穫を手伝ってもらったり、農園を一緒に運営しているパートナー(RomioRi)と息子のソウタ君をはじめ、友人や収穫スタッフの皆さんと一緒に収穫や選別作業をしたりして、ジャムを作る準備を進めてきました。



ラベルはデザインの仕事もしているパートナーにやってもらいました。サイケロックバンドのアルバムジャケットにヒントを得た青とピンクの斬新な色使いとシンプルなデザインが気に入っています。


先生に見せて食べてもらうことは叶わなかったけど、こうして彼の思いをひとつの形に残せたことを嬉しく思っています。


そんなわけで、たくさんのストーリーが詰まった当園自慢の新商品を是非お試しくださいね!


おススメの食べ方としては、かなり甘さ控えめで果実本来の味わいを楽しめるように仕上げているので、写真のようにワッフルなどのデザートと一緒にお使いいただくのがおススメです。


☟商品ページはこちら。お得な2本・5本セットもあります。

https://www.howlettfarm.net/blank


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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