ドローンで圃場の写真を撮ってもらいました!―「忘れちゃならない根っこの力」の話―

September 14, 2018

道央で発生した地震に端を発する北海道全域停電が復旧してから、今日で早1週間あまり。被害の大きかった地域の皆様の心中、察するに余りあります。北海道は台風もあまり来ないし、地震も少ないので、すっかり油断していましたが、予想外の事態に対する日頃からの備えがいかに大切かを痛感した2日間でした。 

 

さて、最近は道南の気候もすっかり秋めいてきて、夜間はグッと冷え込むようになってきました。停電であれこれと対応に追われていても、季節はこちらの都合などお構いなしに、あっという間に過ぎていきます。というわけで、電気が復旧してホッとするのも束の間、雪が積もるまでに終わらせなければならない作業がたくさんあるので、復旧の翌日からは早速仕事を再開してました☆

 

果樹栽培の場合、収穫期が終わる8月末から雪が積もる12月初旬までの4か月間あまりは、苗の植え付けの準備や剪定など、将来に向けての投資を行うとても大事な期間です。だけど、リンゴにしろ、ブドウにしろ、サクランボにしろ、ブルーベリーにしろ、果樹栽培って、何かと収穫作業ばかりが注目されがち。だから、収穫期以外は何やってるの?ってよく聞かれるんですが、もちろん、既述したように、やることはたくさんあります💪 そこで、この記事では、年間を通してどんな作業を行っているのか、そして、どういう工程で苗の植え付けを行っているのかを紹介してみたいと思います☆

 

まずは、当園の現在の状況を簡単にご紹介!↑が畑の一部を上空から撮影した写真です。(先日、通販サイトを運営されている取引先の方がわざわざ畑に来てくださって、ドローンで写真を撮ってくださいました!)

 

ここは、今ちょうどブルーベリーとカシスの苗の植え付けをしている場所になります。丸く穴が開いているのは苗を植え付けるための植穴。上からだとよく分かりませんが、植穴の数は、縦20×横9で合計180個。この他に、写真右側の奥にも空いている土地があって、さらに追加で70本ほど苗を植え付ける予定です。

 

今回新たに植え付ける苗は、ブルーベリー180本+カシス70本で合計250本。これ以外に、現役で使っている苗が合わせて約800本。一昨年と去年新たに植え付けた苗が約500本で、全部ひっくるめた数が1500本くらいになります。(5年後までに、収穫量を今の4倍に増やすのが当面の目標です☆)

 

まず、1年を通した作業をまとめるとだいたいこんな感じになります。

4月・5月  剪定・苗の植え付け・施肥

6月       圃場の除草・マルチ(おが屑)撒き

7月・8月  収穫・パック詰め・生ベリーの出荷と配達

9月・10月 圃場の除草・加工品と冷凍ベリーの出荷・苗の植え付け

11月    剪定・冬囲い

12月~3月 加工品と冷凍ベリーの出荷・営業

(北海道の場合、雪が積もる12月~3月までの4か月間は畑に入れないので、僕の場合は、加工品や冷凍のベリーを各業者さんに卸したり、営業をしたりしながら、他の仕事をしています。専業農家さんの場合は、冬の間も、ハウスの中に暖房を入れて葉物野菜を作ったり、春に植え付ける野菜の苗を育てたりしているところが多いです。あと、サクランボやリンゴなど背の高い果樹を育てている農家さんは、冬の間に剪定作業をしたりします)

 

で、今年の春から夏にかけて何をやっていたかというと、剪定作業・圃場の除草をやりながら、↑の写真の植穴づくりと植え付けの準備をやってました!

 

野菜にしろ、果樹にしろ、植物をうまく生育させるには、入念な土づくりが不可欠です。その作物がどんな性質を持っていて、どんな成分を好むのか、逆にどんな成分を嫌うのか、どういう生育環境を整えてあげればしっかりと育つのかをちゃんと勉強してから事を始めないと、必ずと言っていいほど失敗します。

 

現に僕は、果樹栽培を始めた頃は文字通り右も左も分からない状態だったので、「とりあえず地面にそのまま植え付けておけばうまく育つっしょ~!」みたいな甘い考えで苗を大量に増やそうとして全部枯らしてしまい、丸1年を棒に振ったことがあります(´;ω;`) 

 

僕なんて2品目だけでも失敗続きなのに、40以上の品目を出荷している知り合いの生産者さんもいます。それだけの数の作物をきちんと育てて、人様に販売できるだけの技術を身につけるのに、徒手空拳で始めてから実に10年以上もの年月がかかった、と聞かされた時は驚きましたΣ(・□・;) その凄まじいまでの執念にはただただ頭が下がります。

 

さて、ここからが本題。写真も添えつつ、普段どうやって苗を植え付けているのかを解説してみたいと思います。先ほど書いた通り、直接地面に植え付けるだけではうまくいかないので、きちんと土づくりをしなきゃならないんですが、これがなかなか大変なんです。

 

↑まずやらなければならないのが植穴掘り。これが一番骨の折れる作業です。最初はユンボでやろうと思ってレンタルしてきたんですが、うまく操作できないし、なかなかちょうど良いサイズに掘れないので、結局スコップでエッサホイサと掘ることに。耕運機で土を起こしてフカフカの状態にすると、案外すぐ掘れます。ただ、僕はぎっくり腰がクセになっていて長時間の作業ができないので、ボランティアで来てくださった方々に手伝ってもらいながらやりました。感謝感謝です(人’’▽`)

 

↑次にやるのが、マルチ(おが屑)の袋詰め。これを植穴に適量入れることによって、土の中に隙間ができて、酸素が行き渡りやすくなります。根に欠かせない3要素は「空気」と「水」と「養分」。中でも空気、すなわち酸素が不足すると根が窒息し根腐れを起こしてしまうので、何を育てるにしても、土をフカフカの状態にしてあげるのが一番大事なんです。あと、マルチは時間をかけてゆっくりと微生物に分解されていくので、根の養分にもなります。ある程度まとまった数ができたら、軽トラに乗せて畑の中に持ってきます。植穴の数が多いので、結構な回数往復します。

 

↑そして次にやるのが、用土の準備。ブルーベリーの場合は、植穴一つに対して、「ピートモス」という酸性の用土を一体投入し、マルチと混ぜ合わせます。土には「酸性」と「アルカリ性」があり、ph(酸度)を調節して植物の育ちやすい環境を作ってあげるのも、土づくりにおいてはとても重要な要素になってきます。(ちなみにブルーベリーを含めツツジ科の植物は酸性の土が大好きなので、強酸性の用土であるピートモスを買わなきゃならないんですが、農協で買っても一体700円くらいします。植穴の数が多ければ多いほど大量のピートモスが必要になるので、結構な金額が飛びます。あとピートモスは水をはじく性質があるので、しっかりと水に浸してから投入しなきゃいけません。これがまた手間がかかるんです(;^_^) カシスの場合は、ピートモスは入れず、信頼できる業者さんから仕入れた牛糞堆肥を適量投入し、マルチと畑の土とよく混ぜ合わせます。(カシスは日本ではマイナーな植物なためか、土づくりに関する情報はネットや本を調べてもバラバラ。色々試してみた結果、このやり方が一番よく育つことが分かりました。牛糞堆肥は化学肥料のように即効性はありませんが、土の中の微生物を活発化させ、苗の発根を促す働きがあるので、使うと使わないとでは大違いなんです)

 

↑写真は全ての用土を混ぜ終わった状態。本来は、この後ホースを畑の中まで引っ張ってきて植穴のなかに水をガッツリ投入しなければならないんですが、いかんせんそれをやってると作業が永遠に終わらないので(笑、僕はあえてこの工程をスキップしてます。冬から春にかけて雪が融けると、雪融け水が自然と植穴のなかにも浸透していくので、その辺は自然の力を借りてうまいことやってます。

 

↑次にやるのが支柱立て。こんな感じで植穴の真ん中に棒を立てます。これをやる理由は、雪が積もる前に行う冬囲い作業のため(落葉したら、ロープで枝を棒にくくりつける作業。これをやらないと、雪の重みで枝がバキバキに折れちゃうんです)

 

↑そして次がいよいよ苗の植え付け。植穴の真ん中に、ポットで育てた苗を植え付けます。小果樹の場合はそれほど深いところまで根を張らないので、浅めに植えます。そして最後はこんな感じで、再度マルチを袋詰めして畑のなかに持ってきて、苗の根本にこれでもか!ってくらいドッサリ投入します。理由は、主に雑草防除のため。これをやらないと苗の脇から雑草が物凄い勢いで伸びてきて収集がつかなくなるので、必要不可欠な作業です。

 

これでようやく一株完成!

 

普通の土に植え付けても、土づくりをした後で植え付けても、見た目はな~んにも変わりません。が、これをやるとやらないとでは、その後の苗の生育に天と地ほどの差が出てくるんです。

 

今回の記事では、年間を通しての作業をご紹介すると共に、「土づくりがいかに重要か」ということをお伝えしたかったわけですが、この辺のことを北島三郎さんが「根っこ」という歌で見事に表現しているので、歌詞の一番を貼ってみました☆ (僕は大の音楽好きで歌謡曲や演歌もたまに聞くんですが、なんせこの歌が一番心にグッときます(笑))

 

咲いた花だけ 人は見て

きれいな花だと もてはやす

花には枝あり 幹がある

目にこそ届かぬ その下に

忘れちゃならない 根っこの力

陰で支えて 土ん中

 

北島さんのおっしゃる通り、忘れちゃならないのは根っこの力なんです(笑 というわけで、スーパーで買い物をする際も、食事をする際も、僕が出荷しているようなベリー類に限らず、「作物は、全部が全部、地道な土づくりを経て市場に出荷されている」ということを頭の片隅にちょっとだけでも留めておいていただけると嬉しいです。きっと、土づくりに限らず、何をやるにしても地道な作業の積み重ねが大事なんでしょうね☆ 僕も、皆さんに喜んでいただけるような商品を作るために、これからも、地道にコツコツとやっていこうと思います。

 

そんなわけで、今日はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございました!

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